条件付き確率の復習 | ベイズの定理 |
事前確率と事後確率 | ベイズの定理の例 |
統計用語集 |
復習:条件付き確率
条件付き確率は、ある\(事象A\)が起こったという条件のもとで、\(事象B\)が起こる確率です。 先に\(A\)が起こり、その後に\(B\)が起こると仮定すると、\(A\)を原因、\(B\)を結果と表現することもできます。
ある原因となる\(事象A\)が起こったときに、結果として\(事象B\)が起こる確率が、条件付き確率です。
[blogcard url="https://hikitaro.com/conditional-prob/"]
ベイズの定理
条件付き確率の式を2つ用意します。
$$P(B \mid A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)}\cdots(1) $$ $$P(A \mid B) = \frac{P(B \cap A)}{P(B)}\cdots(2) $$
条件付き確率は、\(A\)と\(B\)を入れ替えても成り立ちます。これは、\(A\)と\(B\)はあくまで、条件であって、どちらが先に起こるかは、問題ではないからです。 \(A\)を原因、\(B\)を結果とした場合、\(P(B \mid A)\)は\(B\)という結果が出るという条件のもとで、\(A\)が起きている確率です。
$$P(A \cap B)=P(B \mid A)P(A)$$ $$P(A|B) = \frac{P(A)\cdot P(B|A)}{P(B)} $$
(1)を変形して、(2)に代入します。これでベイズの定理の完成。
条件つき確率との違い
\(P(A|B)\)を求めるだけならば、条件付き確率の公式のみで、事足りるように思えます。 ベイズの定理は、条件付き確率の逆の式に\(P(A \cap B)=P(B \mid A)P(A)\)を代入することによって求められますが、代入をする意義というのは、\(P(A)\)と\(P(A|B) \)を比較できる点にあります。
\(P(A|B)\)は、\(B\)という結果が出ているときに、\(A\)という原因が起こっている確率。\(P(A)\) は単純にAが起こる確率。\(P(A)\)と\(P(A|B)\)を比較するということは、\(B\)という結果が出たときに、\(A\)が起こるという確率が、どれだけ変化するか、調べることになります。これによって、検査や機械の精度がどれだけ高いのか、調べることができます。
\(\frac{P(B|A)}{P(B)}\)が大きいほど、\(B\)が起こったという結果がより、\(A\)が起こったという確率を上げることになります。
\(\frac{P(B|A)}{P(B)}<1\):\(B\)という結果が、\(A\)が起こったという確率を下げる。
\(\frac{P(B|A)}{P(B)}=1\):\(A\)と\(B\)は独立。(\(A\)が起こったかどうかは、\(B\)という結果に全く関係ない。)
\(\frac{P(B|A)}{P(B)}>1\):\(B\)という結果が、\(A\)が起こったという確率を上げる。
事前確率と事後確率
(P(A))は、何の情報もなしで、Aが起こるという確率なので、事前確率と呼ばれます。
(P(A|B))は、Bという結果を得た後で、Aが起こったという確率なので、事後確率と呼ばれます。
ベイズの定理の具体例
ここからは、具体例によってベイズの定理をもっと実践的に理解していきます。
結果:陽性と判定された 原因:ウイルスに感染

結果:部品が不良品である 原因:部品は工場Aで生産された
