この記事では、チェビシェフの不等式について、図や例を使って分かりやすく解説しています。
チェブシェフの不等式とは
チェビシェフの定理
ある分布に従う確率変数\(X\)について、
$$P(|X-\mu|) \leq k\sigma) \geq 1- \frac{1}{k^2}$$
\(\mu\)…\(X\)の期待値,
\(\sigma\)…\(X\)の標準偏差,
\(k\)…任意の正の数
これは、どんな分布に対しても成り立つ不等式です。これだけでは、少し分かりにくいかと思うので、数式を図によって紐解いていきます。
チェブシェフの不等式の意味
ある分布に関して、\(P(|X-\mu| \leq k\sigma)\)は下の図の塗りつぶし部分を表します。
そしての塗りつぶし部分面積、つまり(X)が(|X-\mu| \leq k\sigma)の範囲内に収まる確率は、(1- \frac{1}{k2})以上になるということです。
例
確率変数\(X\)について
\(\mu=10, \sigma= 5\)
このとき\(X\)が\(-10\)以上\(30\)以下である確率は..
\(P(-10 \leq X \leq 30)\)
\(=P(|X-10| \leq 20)\)
\(=P(|X-10| \leq 4\sigma) \geq 1- \frac{1}{4^2}\)
\(=0.9375\)
上より、\(X\)が\(-10\)以上\(30\)以下である確率は\(0.9375\)以上であるということが、分かります。

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