この記事を読む前に
確率分布、確率密度関数についての知識が怪しい方は、次の二記事を先に読むことをおすすめします。
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分布関数とは | 分布関数と確率分布関数 |
パーセント点 | 下側確率 |
上側確率 | 両側確率 |
例題 |
統計検定2級対応問題
2019年11月問10, 2016年6月問8
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分布関数とは?
分布関数:確率変数がある値以下となる確率を表した関数。
・確率変数\(X\)の値が、ある値\(x\)以下となる場合の分布関数
$$F(x) = P(X \leq x)$$分布関数には大文字の\(F\)が使われることが多いです。
例 生徒の身長の分布
・身長が140cm以下である確率
$$P(X \leq 140)=F(140)$$
・身長が160cm以上180cm以下である確率
\(P(160 \leq X \leq 180)\)
\(=P(X \leq 180)-P(X \leq 160)\)
\(=F(180)-F(160)\)


分布関数と確率密度関数
分布関数と確率密度関数には上のように、微分積分によってお互いが結びついています。
これは、分布関数がある値以下となる確率そのものを表すのに対し、確率密度関数は、関数で囲まれた部分の面積を求める(積分する)ことにより、確率を求めることができるからです。
また積分範囲に関しては、確率変数がとり得る値となります 。
例 生徒の身長の分布
・身長が140cm以下である確率
\(P(X \leq 140)=F(140)\)
$$=\int^{140}_{0}f(x)\:dx$$
・身長が150cm以上170cm以下である確率
\(P(150 \leq X \leq 170)=P(X \leq 170)-P(X \leq 150)\)
\(=F(170)-F(150)\)
$$=\int^{170}_{150}f(x)\:dx$$
ポイント:分布関数は確率そのものを表す。
分布関数とパーセント点
パーセント点:ある分布関数において確率(上側確率、下側確率、両側確率)がPとなる点。
下側確率
下側確率:確率変数Xの値が、ある値x(下側パーセント点)以下になる確率。
下側確率は、分布関数と等しいです。そのため下のような関係が成り立ちます。
(F(x)=下側確率P) (x…下側パーセント点)
上側確率
上側確率:確率変数Xの値が、ある値x(上側パーセント点)以上になる確率。
上側確率は、下側確率,分布関数の逆です。
$$1-F(x)=上側確率P$$
両側確率
両側確率:確率変数Xの絶対値が、ある値x(両側パーセント点)以上になる確率。
$$両側確率=F(x_1)+(1-F(x_2))$$
例題
確率分布関数が次のように与えられる。
\[
F(x) = \begin{cases}
x^2 & (0 \leq x \leq 1) \\
0 & (otherwise)
\end{cases}
\]
1.確率変数xの確率密度関数を求めよ。
2.確率変数xの中央値を求めよ。
2の解答を表示する
2:中央値=下側50%点 下側確率が50%になるような、\(x\)の値を見つければよいので、 \(F(x)=x^2=0.5\) \(x=\sqrt{0.5}\)
統計検定2級対応問題
2019年11月問10, 2016年6月問8
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