ローレンツ曲線 | ジニ係数 |
おまけ | 統計用語集 |
ローレンツ曲線とは?
ここからは、実際にデータを使ってローレンツ曲線を作成していきます。
使うデータ:ある村の住人の収入
人口20人のある村で、住人の収入にどれだけ格差があるのか調べるため、ローレンツ曲線を作成しました。
ローレンツ曲線は、村人を収入の少ない方から並べます。そして、人口の累積相対度数に対し、その人たちの収入が、全体のどれだけの割合を占めるのか、プロットしていきます。
赤い線がローレンツ曲線です。
ローレンツ曲線からわかること
ローレンツ曲線は、ある層が全体のどれくらいを占めるのか、知ることができます。上の例では、ある収入層が、全体の収入のどれくらいを占めるのかということを、知ることができます。


完全平等線
完全平等線は、横軸と45度をなす直線。これは、完全に平等で、格差がない場合の、ローレンツ曲線を示します。
格差がない=全員が同じ値ということです。上の例では、20人全員の収入が同じ場合ということになります。これは、 下位20%の収入=上位20%の収入ということです。
この完全平等線から、ローレンツ曲線がどれだけ離れているかによって、不平等さ(格差)の大きさを、視覚的に知ることができます。
ジニ係数
ジニ係数の定義
ジニ係数は不平等線が囲む面積を1としたときの、完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積で定義されます。これは、(完全平等線とローレンツ曲線で囲まれた部分の面積)の2倍に等しいです。
ローレンツ曲線が、視覚的に不平等さの大きさを示すのに対し、ジニ係数は不平等さを定量化します。これにより、格差の大きさを比較したりできます。
ローレンツ曲線が完全平等線から、離れれば離れるほど、ジニ係数は大きくなり、これはより不平等さ具合が高いということになります。
上の例では、視覚的に格差の大小を判断していましたが、ジニ係数によって、具体的にどのくらい格差の度合いが違うのか、調べることができます。
おまけ:ローレンツ曲線のルール
ローレンツ曲線は、必ず完全平等線より下。完全平等線より上いったり、クロスしたりすることはありません。
ローレンツ曲線が、完全平等線より上にいった場合収入下位20%の住人の収入>収入上位20%の住人の収入となってしまい、矛盾が起こります。