統計検定2級対応問題
2018年11月問15, 2016年11月問9
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二項分布
ポアソン分布のもととなる分布が、こちらの二項分布です。まずはこちらを理解しましょう。
二項分布:n回の試行中、ある事象がちょうどx回起こる確率が従う分布。
確率密度関数:
$$f(x) ={}_nC_xp^x(1-p)^{n-x}$$
確率密度関数の解説
二項分布の例
一様なコインを\(5\)回投げたとき、表がちょうど\(x\)回出る確率は、二項分布に従います。
二項分布の確率分布関数に \(p=0.5,n=5\) を代入して
$$f(x) ={}_5C_x 0.5^x(1-0.5)^{5-x}$$ \((x=1,2,…,5)\)このような関数が得られます。この関数では、表が出る回数\(x\)を代入することによって、その確率を求めることができます。
例えば、表が\(3\)回でる確率は\(f(x)\)に\(x=3\)を代入して、 \(f(x) ={}_5C_3 0.5^3(1-0.5)^{5-3}\) \(=0.3125\) のように求めることができます。ポアソン分布
ポアソン分布:めったに起こらない事象(めっちゃ試行して、平均で\(\lambda \)回起こる事象)が\(x\)回起こる確率が従う分布。
確率密度関数:
$$f(x) = \frac{e^{-\lambda}\lambda^x}{x!}$$
交通事故や雷に打たれるなど、めったに起こらない事象が起こる回数に関する確率分布が、このポアソン分布です。
ポアソン分布=二項分布の近似
二項分布は、1.試行回数が多く、2.起こる確率が少ないときにポアソン分布によって近似されます。
例えば、1万回の試行で1回しか表が出ないコイン(おそらく裏めちゃくちゃ重い)があったとします。このコインで表が\(x\)回でる確率はポアソン分布に従います。
ポアソン分布の導出
二項分布の確率密度関数を \((n \rightarrow \infty\, p \rightarrow 0 )\)に飛ばしたものが、ポアソン分布の確率密度関数となります。
これは、
「めったに起こらない=めちゃくちゃいっぱい\((n \rightarrow \infty)\)試行しても、起こる可能性がほぼ\(0(p \rightarrow 0)\)」
と訳すことで納得できるかと思います。
また、起こる回数である\(np\)を\(\lambda\)と置きます。この\(\lambda\)が分布の形を決める、唯一のパラメーターとなります。
証明
分解
- \({}_nC_x\)
- \(p^x\)
- \((1-p)^{n-x}\)



合体!

※1証明の補足:自然数対数


ポアソン分布の特徴
ポアソン分布の分布の形を決めるパラメータはただ一つ、平均で起こる回数である\(\lambda\)です。\(\lambda\)の値によって分布の形が大きく異なります。
ポアソン分布の例
航空事故が起こる確率は、\(0.0001\)であると知られている。A空港での運行回数が\(30000\)回。
このとき、A空港で航空事故が起こる回数の平均は\(\lambda=np\)より、
\(\lambda = 0.0001 * 30000 = 3\)
よってポアソン分布の確率密度関数は
$$f(x) = \frac{e^{-3}3^x}{x!}$$
A空港で航空事故が\(1\)回起こる確率は、
\(f(1)=0.149\)
A空港で航空事故が\(3\)回以下起こる確率は、
\(f(1)+f(2)+f(3)=0.598\)
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