今回は確率で使う記号の紹介と、高校の確率論の復習です。確率の概念、加法定理、事象について扱っています。
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確率と事象
確率:ある事象が起こる割合
例
日本人は10人のうち7人の割合で、運転免許を持っている
→日本人が運転免許を持っている確率は7/10=0.7
確率の表し方
$$P(A)$$
・事象Aが起こる確率
・pはprobabilityの頭文字
$$n(A)$$
・事象Aが起こる場合の数
・nはnumberの頭文字
$$n(U)$$
・起こりうるすべての場合の数
・uはuniverseの頭文字。
確率の定義式
$$P(A)=\frac{n(A)}{n(U)}$$
事象Aが起こる確率は、Aが起こる場合の数を、すべての場合の数を割ったもので、定義されます。
例
事象A: 日本人が運転免許を持っている
・運転免許を持っている日本人の数は、8225万5千人
$$n(A)=82,255,000$$
・日本人の数(免許取得可能な16歳以上)は1億1750万7千人
$$n(U)=117,507,000$$
・日本人が運転免許を持っている確率は0.7
$$P(A)=\frac{n(A)}{n(U)}=0.7$$
確率の加法定理
$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$
$$P(A\cap B)=P(A)+P(B)-P(A\cup B)$$
$$P(A\cup B)$$
・事象Aまたは事象Bが起こる確率
・カッコ内はAまたはBと読む
$$P(A\cap B)$$
・事象Aと事象Bが同時に起こる確率
・カッコ内はAかつBと読む
証明
\(P(A\cup B)には\)
- 事象Aだけが起こる $$P(事象Aだけ)=P(A)-P(A\cap B)$$
- 事象Bだけが起こる $$P(事象Bだけ)=P(B)-P(A\cap B)$$
- 事象Aと事象Bが同時に起こる $$P(事象Aと事象Bが同時)=P(A\cap B)$$
の3つの場合があります。この3つの確率を足し合わせると、、、
$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$また、この式を変形することで2つ目の式を得ることができます。
加法定理のイメージ
空事象・排反事象・余事象
空事象
空事象:起こる確率がゼロの事象
$$P(A)=0$$
例
トランプからカードを引いた時、ハートの14が出る事象 ←トランプの中に、そのようなカードはないので絶対に起こらない。
排反事象
排反事象:同時に起こる確率がゼロの事象
事象Aと事象Bが排反であるとき
$$P(A\cap B)=0$$
例
1つのサイコロを振ったとき、その目が偶数であり、かつ奇数である確率←サイコロの目(1〜6)はすべて、偶数か奇数どちらかなので、この2つの事象は絶対に同時に起こらない。
排反事象のイメージ
余事象
余事象:事象Aに対して、Aが起こらないという事象
\(事象Aに対して、Aの余事象は\bar{A}で表す。\)
また、事象Aと事象Aの余事象が同時に起こることはないので、Aと余事象Aは排反事象でもある。
$$P(A\cap \bar{A})=0$$
余事象のイメージ
例
\(A:運転免許を持っている\)
\(\bar{A}:運転免許を持っていない\)
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統計用語集
確率:ある事象が起こる割合
空事象:起こる確率がゼロの事象
排反事象:同時に起こる確率がゼロの事象
余事象:事象Aに対して、Aが起こらないという事象